茶花・・・茶会の席に飾る花のこと。飾らない山野草の素朴な一輪挿しが多く、派手さを競う華道とは対照的。茶花を新しく解釈して生ける。

<花名>
クロコスミア

私が茶会の亭主だったら、季節の盛りの花ではなく、まだ本格的に花期を迎えていないお花を生けることで季節に遅れず客人をおもてなす、ということを考えます。お店やスペースを構える立場にある人は、お客様には次のことを提案していてほしいと思うから。盛夏から晩夏にかけて花を咲かせるクロコスミアは暑くてもそうへこたれない植物です。大きいものでは100cm以上ありますが、葉を敢えて短めに切り、絵に描いたギザギザの芝生のように魅せます。自然界ではありえないけど、このデフォルメ感こそ人が生けることのおもしろさ。花器もあえて日本人の作家ではなく、クレア・キャティラズさんというニューヨークの陶芸家の作品を選んで新しい風を送り込みました。山梨、特に甲府の夏は猛暑という印象が強いですが、太陽光線に負けない頼もしいクロコスミアを見て、暑いのも悪くないねと思っていただけたらなと。汗がだらだら流れても楽しいと思える。夏のビールと同じかもしれません。

PROFILE

chi-ko

チーコ

世田谷にて小さな小屋の花屋Foragerを営むフローリスト。よそでは脇役として活躍しているお花たちがここでは主役になるような、ささやかだけれどしっかりと主張のある植物を揃えている。「幼少期から思春期まで毎年夏は山梨でサマーキャンプに参加していたためか、山梨は夏のイメージです」。

forager-tokyo.tumblr.com

写真:植本一子

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